大変長らくお待たせしました…。
18日ぶりの更新ですが、初心者物語(第5話)です。
(内容もう覚えていないだろうなぁ)
この小説、思ったよりも反響が大きかったようで、
「続きが楽しみ」と言ってくれた読者の方たちの為にも、
拙い文章ながら、最後まで書き上げる所存でございます。
もう二度と、これほどの間を空けるつもりはありませんので、
これからも皆さん、応援よろしくお願いいたしますヽ(*´∀`*)ノ
さてさて、今までのあらすじですが。
ついにタウと対峙することになった主人公。
果たして、主人公はタウを元に戻すことが出来るのか。
はたまたどちらかが、舞台を退場する結末で終えてしまうのか。
気になる方はクリックどうぞ。
18日ぶりの更新ですが、初心者物語(第5話)です。
この小説、思ったよりも反響が大きかったようで、
「続きが楽しみ」と言ってくれた読者の方たちの為にも、
拙い文章ながら、最後まで書き上げる所存でございます。
もう二度と、これほどの間を空けるつもりはありませんので、
これからも皆さん、応援よろしくお願いいたしますヽ(*´∀`*)ノ
さてさて、今までのあらすじですが。
ついにタウと対峙することになった主人公。
果たして、主人公はタウを元に戻すことが出来るのか。
はたまたどちらかが、舞台を退場する結末で終えてしまうのか。
気になる方はクリックどうぞ。
――――何故、『こうなって』しまったのだろうか?
アイツが、私と出会うまでずっと一人だった理由も、
アイツの瞳を、常に翳らせていた寂しさも、
私は気づいてやることが出来なかった。いや、気づこうとすらしなかった。
短い間とはいえ、誰よりもアイツに近い場所にいた私が、アイツのことを一番わかってやれていなかったのだ。
「タウを救いたい」
その一心で私は走った。
行く手を阻むゴブリンを一蹴し、息を切らせながら、ただひたすらに森の奥へと踏み込んでいく。
完全に日が落ちきった夜の森は、いっそうこの森の不気味さと物々しさを際立てる。
そして、夜の闇は同時に、私の中にある暗い部分を、頭にもたげさせていた。
間に合うのか?
取り返しはつくのか?
私たちは――――まだ友達だよな?…タウッ!
酷使に続く酷使に耐えかねた足が、「休め休め!」と痛みとなりて、私に訴え続ける。
ライナスの猛特訓で疲れきった身体を、ロクに休ませずに、また無茶をさせているのだ。
こんなコンディションで、いざタウと戦いになった時、私は勝てるのか?
…わ、私は、一体何を考えているっ!?
私はアイツを止める為に走っているんだ、倒しに行くんじゃない!
だが…もし、タウを話し合いで止められなかったら?
「俺」に出来ることは…。
夜闇は、私の暗い内面ばかりではない。
私の左腕に眠っている、もう一人の「俺」をも呼び覚まそうとしていた…。
初心者物語 第5話「タウ(前編)」
何も考えずに走る。走る。走る。
あてどなく、闇雲に、もはやどこをどう走っているのかもわからないまま。
考えたくないからだ。想像したくないからだ。
私の左腕が見せ付ける、最悪の結末を…イメージにしたくないからだ。
私はアイツを追いかけているはずなのに、逃げていた。
アイツに会いたいと思っているくせに、会いたくなかった。
私は…卑怯者だ。
後悔と葛藤と、内に眠る激しい鬼の本能を、疲れや痛みで無理矢理忘れさせている間が、今の私にとって一番心安らぐな時なのかもしれない。
このまま、走り続けるだけで夜が明ければ、それはどんなに幸せなことか。
だが、…アイツが私のそんな愚かな願いを、許してくれるはずもなかった。
「グオオオオオオオオオオオオオォォッ!!」
森中に響き渡るほどの、巨大な咆哮がついに私の足を止めた。
…ここからそう遠くは無い場所。
翼をもつ森の住人たちが、一斉に森から飛びだす。
騒がしかった虫の声も、ゴブリンの奇声さえも、時が止まったかのように全てが消えた。
辺りに響くのは、自身の激しい呼吸音のみ。
「…いつも待たせっぱなしですまないなタウ。今…会いに行くよ」
独り言。だが、これだけ静かならアイツの耳にも伝わるだろう。
一歩一歩、アイツとの思い出を思い返すかのように、ゆっくりと声の方向に向かって歩く。
もう逃げられない。覚悟を決めなくてはならない。
例えどんな事態に陥ろうと、アイツを救うことを…諦めない覚悟を…。
――――月下の深閑。
森然を抜け、淡い光が差し込める開けた平地の奥に、森の番人は静かに私の来訪を待っていた。
その瞳には、遠目からでもわかるほどの、不気味な紅い光が宿っている。
月に照らされて映るタウの影は、鬼のように大きくて、私に威圧感を与える
四日…いや、五日ぶりの再会、か。
たった五日間のはずなのに、その間にお互いを見る目が、大きく変わってしまっている。
その事実は、悲しみとなって私の胸を締め付けた。
「タウ…私は…――――!?」
何か言わなくては、と思い口を開いた途端、タウは口火を待っていたかのように、私に向かって何かボールのような物を投げつけてきた。
慌ててそれを避けるも、私は見てしまった。
タウが、何を投げてきたのかを。
私の横を高速で通り過ぎた「何か」は、卵が割れたかのような生々しい音を立てて、背後の木にぶつかった。
その破片は、原型も残さず、辺りの草むらに飛び散る。
…それは、ゴブリンの首だった。
「……タウーーーーーーーッ!!」
「グハハハハハハ!
ヨウヤクキタナ、裏切リ者ヨ!オマエダケハ…オマエダケハ、ボクノ手デ必ズ殺シテヤル!!」
「違う!聞いてくれタウ!私はお前を裏切ってなどいない!!
事情があったとはいえ数日森を離れ、お前を追い詰めてしまった私は本当に愚かだった。
今ならまだやりなおせる!いつものお前に戻ってくれタウ!以前のように…また友達に」
「死ネ!死ネ!!オニケンシィィィ!!」
ありったけの声を絞った謝罪も懇願も、意に介されないまま、タウは私に向かって突進してきた。
同時に、アイツの手に持つ、巨大な斧が天に振り上げられる。
次の言葉を紡ぐ暇などありはしない。私は残り少ない余力を振り絞り、右に向かって全力で跳躍した。
ズンッ!と、私の立っていた地面が、斧の刃先によって深くめり込む。
棒切れで受けられる代物ではない。避け切れなければ、私は得物ごと両断されてしまうだろう。
本気…なのか?もう、手遅れ、なのか…?
絶望と焦燥で、頭の中が真っ白になる。身体もすでに限界に来ているのか、思うように動いてくれない。
そして、それはタウにとってこの上ないスキだった。
――――勝敗は最初から見えていた。
戦いになった時、「私」ではタウに勝つことなど出来ない。
現状の戦力も理由の一つだが、何より私はタウを傷つけることが絶対に出来ないのだ。
私は、…どうやらここまでらしい。
セリア、ライナス。すまないが、約束を守れそうもない。
…だが、これでいいんだ。私を殺すことによって、タウの寂しさが報われるならいっそのこと…。
『こうなって』しまうよりかは、私がやられてしまった方が、遥かにマシなのだから。
斧を地面から引き抜いたタウはそのまま、膝を立てて呆然としている私に突っ込み、殺意に満ちた追い討ちをかける。
力いっぱいになぎ払われた死神の鎌が、まるでスローモーションのように、私の目には映った。
「タウ…一人にさせて、ごめんな」
「シネエエエエエエエエエエエエエエエエエェェェェ!」
肉が軋む鈍い音が、何故かハッキリと私の耳に響いた。
蹴り上げられたボールのように、血しぶきと一緒に上空へと薙ぎ飛ばされた私は、今まで生きてきた中で、一番月に近い位置にある。
ああ…月ってこんなに美しいものだったのか。
そんな場違いな感嘆を最後に、「私」の意識は…そこで終わった。
――――ボロ雑巾のように、打ち捨てられた男の死体。
その左脇腹からは、薄暗い夜中でも目に映える、まだ生暖かい血がドクドクと流れている。
…しかし、完全な致命傷ではなかった。
傷は深いものの、刃は内臓までは届いていない。
そして、心臓に目掛けて薙いだはずなのに、何故か傷口は大分下にずれていた。
殺すことに躊躇してしまったのだろうか…。無意識のうちに手加減してしまったのだろうか。
勝者であるはずのタウは、ピクリとも動かない亡骸を見据えると、斧を地面に投げ捨て、苦しそうに頭を抱え始めた。
「コレデ…、コレデイインダ。ロータス様ノ言ウ通リ、人間ハ卑怯デ浅マシイ生物ナンダ…!
…コイツダッテッ!ズット…ズット待ッテイタノニ!!」
だが、男が残した最期の言葉が耳から離れない。
死ぬ気で抵抗すれば、あるいは逃げることくらいは出来たかもしれないのに。
そうしてくれれば、こっちだって迷うことなく逃げるその背中にトドメをくれてやったのにっ!
逝く間際まで、申し訳なさそうに、すまなそうに謝っていた。
どうしてだ、こいつは僕を捨てたんじゃなかったのか?
僕の気持ちを…裏切って…、僕は所詮モンスターだと嘲け笑っていたんじゃなかったのかっ!?
――――その時だった。男の懐から、ポロリと何か小さな物が地面に落ちた。
「コレハ…?」
倒れた男に近づいて、それを手に取って見る。
大きな亀裂が出来ているが、これは確かに…。
「ボクガアゲタ…宝物?」
最後に会った日に、タウが男に渡した石ころだった。
これを服の下に忍ばせていたから、致命傷にならずに済んだのかもしれない。
「ボクノ宝物ガ、ボクノ攻撃カラ彼ヲ守ッタ…?ズット、ズット…持ッテテクレテ…!!
――――ウ、ウオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」
タウは吼えた。
やりきれないこの思いを、そのまま形にするかのように。
だが、全ては後の祭り。男はもういない。自分がこの手で殺してしまったのだから。
…自分は、もしかして取り返しの付かないことをしてしまったのかだろうか。
その答えを確かめようとするかのように、タウは再び男の亡骸に首を向けた。
しかし、男は、その場に、いなかった。
「――――おい」
「ナッ!?」
死体が無くなっていた事実に驚く前に、タウはさらなる衝撃に見舞われる事になる。
死んだはずの男が、いつの間にかタウの背後から声を掛けてきたからだ。
タウは咄嗟に振り返り、すぐさま男の状態を観察するも、その驚愕は到底消し去れるものではなかった。
神がかりな奇跡が起きて生き返ったわけではない。その証拠に今も男の傷口からは血が流れ続けている。
疲労と出血。立っていることさえままならない状態のはずなのに、何故動けるのか。
しかも、どうしてかタウの目には、今のその男が、…何か別の生き物に見えてならなかった。
「ロータスって…誰だ」
「生キテ…生キテイタノカ。シカシドウシテ立ッテイラレル?口ガキケル?オ前ノ身体ハモウ…」
「質問に答えやがれ。お前を変えてしまったのは、そのロータスって奴が原因なのか?」
…おかしい。タウの違和感は、時がたつたびに膨らむ一方だった。
男の口調の変化もそうだが、まず雰囲気からして今までと違う。タウに向ける目が違う。
今まで見せていた労わりの感情など微塵もない。それこそタウをモンスターとしてしか見ていない、氷のような冷徹な瞳。
タウは無意識に後ずさった。自分の身体を見てみると、全身が総毛だっている。
僕は…この男に…恐怖しているのか?
「…ロータス様ハ、ボク達ニ言葉ト、生キル道を示シテ下サッタ尊イオ方ダ。
人間ハ悪。…タトエオ前デモ、ソレハ例外デハナイ!」
「…そうかい。なら俺たちは敵同士ってわけだな」
「チ、違ウ…。ボ、ボクタチハ…ボクタチハ、ト…」
「今更、命乞いなぞ聞いてやれねえぜ。さぁ――――第二ラウンドを始めようか」
(第6話に続く)
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この記事へのコメント
さぁ、第二ラウンド開催だ
ってか何度見てもSUGEEEEEEEEEEEEEE
ってか何度見てもSUGEEEEEEEEEEEEEE
2007/04/22 (日) 21:23:34 | URL | 柳戦流 #-[ 編集]
この後、プロボクシング並に12Rまで戦い合う展開n(ry
…ごめん、嘘ですw
っていうかARIIIIIIIIIIIIIIII!!!
…ごめん、嘘ですw
っていうかARIIIIIIIIIIIIIIII!!!
2007/04/22 (日) 21:55:56 | URL | 枝豆 #-[ 編集]
ちょwwコインつかった?
かっこよすぎです!カラーネガってww
ロータスがボスですか・・・。
あ、性欲云々は、「メタルギアソリッド」というゲームのセリフです。青々青さんなら、わかるかな?
かっこよすぎです!カラーネガってww
ロータスがボスですか・・・。
あ、性欲云々は、「メタルギアソリッド」というゲームのセリフです。青々青さんなら、わかるかな?
2007/04/22 (日) 22:18:25 | URL | NAM #-[ 編集]
2ラウンドGOOOOOOOOOOOOOOO
いいよいいよー!
カザンの呪いが覚醒したのかっ!?
次回が楽しみだわ~
カザンの呪いが覚醒したのかっ!?
次回が楽しみだわ~
めっちゃいいいいいいいいい!!!
タウの人生オワタ/(^o^)\
てか鬼剣士覚醒ktkr
第二ラウンドっていう表現がいいわwww
早く第6話うpしてくだせええヽ(゚∀゚)ノワチョーイ
タウの人生オワタ/(^o^)\
てか鬼剣士覚醒ktkr
第二ラウンドっていう表現がいいわwww
早く第6話うpしてくだせええヽ(゚∀゚)ノワチョーイ
うおおおお!
続きが楽しみですw
続きが楽しみですw
2007/04/22 (日) 23:01:47 | URL | 火野竜馬 #BSdSJGAw[ 編集]
遂に覚醒シーンktkr
第2Rは東京ドームでよろしくn(ry
wktkしてるぜゴルァー
2007/04/22 (日) 23:13:56 | URL | Sherry #aIcUnOeo[ 編集]
亀田のような判定勝ちを期待しないでいるよと見せかけて
グレードダウンした心臓抜きの薬指を分解する
グレードダウンした心臓抜きの薬指を分解する
2007/04/22 (日) 23:27:18 | URL | 隙間の何か #RiUlFD6I[ 編集]
NAMさんへ・・・
俺たちは
この言葉でつながるはずだ!
「雷電、今すぐゲーム機の電源を切るんだ」
俺たちは
この言葉でつながるはずだ!
「雷電、今すぐゲーム機の電源を切るんだ」
2007/04/23 (月) 02:05:06 | URL | 青in携帯 #-[ 編集]
ゴブリンの……頭……?!
ぅ、ぅぁ………;;
鬼剣士とタウ、どうなるんだろ
ぅ、ぅぁ………;;
鬼剣士とタウ、どうなるんだろ
2007/04/23 (月) 16:22:43 | URL | 縁城巴 #VLLKUlks[ 編集]
>NAMさん
この世界にはコインの概念はありません!
死んだらそこでゲームオーバーです。
2は何度かクリアしたような…w
>ハッさん
ゴオオオオオオッ!!
>hayatsさん
さんきゅー!
何か思ったよりも、タウ編が長引いてしまったorz
次で完結させるさb
>世音さん
ヽ(゚∀゚)ノワチョーイ
そう言ってくれると嬉しいですね!
次も頑張って書きたいと思いますので、応援よろです^^
>火野竜馬さん
ありがとうございます。
その言葉を支えに書かせていただいてますw
>Sherryさん
東京ドームktkrwwww
頑張って書くからこれからもよろしくね!b
>隙間の何かさん
ごめwww亀田まではわかったけどww
2行目がようわからんぜ・゜・(ノ∀`)・゜・
>青in携帯
テラ青野wwwwwwwwww
>縁城巴さん
グロくてごめんなさい(´・ω・`)
ふっふっふ、続きは見てのお楽しみっ!
この世界にはコインの概念はありません!
死んだらそこでゲームオーバーです。
2は何度かクリアしたような…w
>ハッさん
ゴオオオオオオッ!!
>hayatsさん
さんきゅー!
何か思ったよりも、タウ編が長引いてしまったorz
次で完結させるさb
>世音さん
ヽ(゚∀゚)ノワチョーイ
そう言ってくれると嬉しいですね!
次も頑張って書きたいと思いますので、応援よろです^^
>火野竜馬さん
ありがとうございます。
その言葉を支えに書かせていただいてますw
>Sherryさん
東京ドームktkrwwww
頑張って書くからこれからもよろしくね!b
>隙間の何かさん
ごめwww亀田まではわかったけどww
2行目がようわからんぜ・゜・(ノ∀`)・゜・
>青in携帯
テラ青野wwwwwwwwww
>縁城巴さん
グロくてごめんなさい(´・ω・`)
ふっふっふ、続きは見てのお楽しみっ!
2007/04/23 (月) 23:42:52 | URL | 枝豆 #-[ 編集]
タウ死んじゃうのはヤだよーーーーー!!!
ウワァァァ。・゚(゚`Д´ ゚)゚・。ァァァン
枝豆さんの事だからないとは思いますが(*´ω`*)
ウワァァァ。・゚(゚`Д´ ゚)゚・。ァァァン
枝豆さんの事だからないとは思いますが(*´ω`*)
>ユウキさん
ぬ!むう…w
こんなこと言われたら、殺せないじゃないですか(゚Д゚)
実は脂肪フラグ全開だったのは口が裂けても(ry
ぬ!むう…w
こんなこと言われたら、殺せないじゃないですか(゚Д゚)
2007/04/24 (火) 19:16:23 | URL | 枝豆 #-[ 編集]
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